藍子は両手の手のひらで顔を覆って、くぐもった声で言った。 「俺もごめん......本当に」 真広は藍子に上手く流されてくれた。 ああ、よかった。これでもう誰も争わなくて済む。これでゲームが終わる。 二人の謝罪の言葉が、閉ざされた空間の中でやけに耳についた。 私は笑うことしかできなかった。 「大丈夫」なんて口にしたら自分が泣いてしまいそうで怖かった。 誰かに見られながら食べると責任を感じてしまうと真広が言ったから、真広に先に部屋に行って、苺を食べてもらうことにした。