ストロベリー・ゲーム



***



二人の言い争う声で目が覚めた。
私はドアの前まで来て、中に入れないで立ち止まっていた。


「お前は怜美を置いて逃げた。覚えてる? 小学生の時、お前と怜美がうちの畑の苺に手を出したんだよ。三人が集められたのはこの事件に関わってるからだ」



真広は気づいていたのか。
そしてあの時、私は真広に出会っていたのか。

まだ寝起きの頭でぼおっとしていて、それだけ聞き取って納得するしかできなかった。真広との思い出は正直覚えていない。


でも、本当に苺の事件とこの状況が繋がっているなら、一番悪いのは、事件を起こした私なんじゃないだろうか?