「両親がさ、交通事故に遭ってさ。俺だけ助かったんだ。その夢。な? 結構グロくて。参るよな、朝からこんな夢見たら」 「あたしがその話したからだよね......? ごめん」 「そんなことない」 藍子が優しいのは知っている。 こいつは怜美の友達だから。あんなに怜美が自慢してきたんじゃないか。ただ今は自責の念にかられてどうしようもなく、落ち込んでいるだけで。 「真広、無理してるんじゃないの?」 それを鬱陶しいと思うのは、どうしてなんだ?