――――目の前に大型トラックが突っ込んできた。 後部座席にいた俺は怪我は負ったものの助かった。 前には父と母がいた。 旅行に行こうってことになっていた。 いつも通っている見慣れた道、の、はず。 クラクションが鳴り刹那、天から地面を割るように大きな雷が落ちたような、そんな重い衝撃。 正面衝突だと分かった。遅れて発動するエアバッグ。視界が狭まり、使えねえ、と思った瞬間、目の前の光景に俺は思わず言葉を失ってしまった。 車体が歪み、大型トラックの顔がすぐそこにある。