「真広くんは、私のこととっても大切にしてくれるんだね。ありがとう」 いつだったかそんなことをれみに言われた。 畑の周りを散歩している時だった。木漏れ日の下を歩く。セミが鳴いていた気がする。 大切。そうだ、俺、れみのこと大事だったんだよ。好きだったから。 でもそれになんて返したんだろう? 照れくさくて素っ気ない態度を取った気もする。ああ、あの時ちゃんと言っておけばよかったのかもしれない。 進級して三年生になると、れみはぱったり来なくなった。