ストロベリー・ゲーム





れみはそれからたまに遊びに来てくれた。

最近できた友達のことも話してくれた。あの時、苺を盗んで食べていた時、一緒にいた友達。逃げたけどさ。......名前、なんだっけ。


「ーーちゃんは、私に食べたらって言ってくれたんだよ。お腹空いてたって私が言ったから」

「じゃあ、その子が悪いんじゃないの?」

「ーーちゃんは悪くないもん」


れみはその子のことを庇っていた。
俺もれみのことを庇っていたけど。

あの後、翌日に祖父が畑の苺の被害に気づいて、すぐにそれは事件になった。
近所にも話が広がった。苺を盗んだ人を探すように祖父が言っていた。

この辺りには電柱も無いから監視カメラもない。れみがすぐに見つからなくてよかった。