夜はまだ遅くはないが、藍子は壁際に横になると、疲れたのかすぐに眠ってしまった。ベッドは少し大きめだったからそこまで狭くはなくて、快適だった。


壁の隅の小さなテーブルの上には、苺が一粒入った瓶。
私が戻した。それから誰も触っていないし動かしてもいない。

明かりのない部屋は暗かった。
さっきまで話していた時は意識していなかったが、もう本当に夜が来てしまったんだ。


私の方に背を向けて硬いフローリングの上に横になる真広を見ていた。
しばらく眠れなかった。目を閉じても意識だけが起きていた。

真広の寝息も聞こえなかった。

外は今どうなっているんだろう?

真広か私のどちらかは......もうこのまま一生外の景色を見られないかもしれない。