自分の名前を答えて、自分もまたこの場所を知らないことを伝えた。


「あたしは......藍子(あいこ)です。高校二年。同い年ですかね?」

「あ、同い年ですよ!」

「そうなんですね」


少し安堵したような表情を浮かべた藍子。
と、そこで今度は左隣に倒れている人物が、足を動かした。

視界にしっかりとその様子を捉えていたため、驚いてそちらを見ると、うっすらと目が開いている。腕で目を隠して、はあ、と大きく息を吐く少年。


「......ん? あれ」


彼もまた異変に気づいたように体を起こした。
三人とも知らないの? この場所を。

顔を見るが、彼も藍子も私は今日が初対面だ。
知らない二人と知らない部屋。

どうしてこんなことに?