藍子の方を見れば、怪訝そうな顔をして真広を見つめている。
「じゃあ、あと一つはあたし達で考えて食べろってこと? どっちかを犠牲にしろって言ってるのと同じでしょ、それ」
「そうだよ」
否定しないのか。
ドクン、と心臓の鼓動が深く体に響いた。体の熱が冷める。
それでも冷静になれと自分に言い聞かせて、私はまた冷静さを失っていく藍子に話しかける。
「藍子ちゃん、落ち着いてよ」
「どういう流れでそうなるのか分かんない。自分が食べてどうなるのか、なにができるのか、考えたうえで食べるんじゃないの? 怜美も、言ってくれたんだよ。あたしすぐに取り乱すから、落ち着きないから、まだ今は決断を急ぐ必要がないって。でも」
藍子は早口で言った。どんどん強い口調になっていった。



