「まあいいや。でも三人に共通していることってないよね?」
「うん......」
藍子の問いかけに頷く私。
と、そこで。
「俺が巻き込んでたら、ごめん」
真広がいきなり申し訳なさそうに謝った。
本当に唐突だったから、温かい空気が冷めたような気もした。
「なに、急に」と藍子が引きつった顔で笑う。
「俺もよく分からないけど、俺の祖父のせいで理不尽に二人がこんな目に遭っているなら、謝りたい。あと、苺のことなんだけど」
真広がどんな人かなんて分からない。
だって血液型も部活も高校も、私達は今まで知らなかった。でもなんとなく話していて落ち着いた人で、常識もちゃんと分かっている人なんだって思って。
でもこの時は私も流石に、真広を疑った。
「なんとなく、自分が食べる必要がある気がするんだ。だから一つ、譲ってほしい」



