身長も高くて顔立ちもそこそこ整っている。声も低くて体も大きい。
こういういかにも男の子、っていう人でも、可愛いと思うところがあるんだなあ。
私が続ける。
「後を継ごうって思ってるんだね。凄いな、親孝行。一人暮らしの費用とか、出してもらってるもんね」
「いや? アルバイトしてるからそんなに負担してもらってないかも」
「「え!?」」
驚いて藍子と同時に声が出た。
アルバイト? 高校で? しかもまだ二年生になってすぐなのに。
「できすぎでしょ......モテるんじゃない?」
藍子は驚いた表情のまま、口だけを動かしてぽつりと呟く。



