ストロベリー・ゲーム



部屋に戻って来てからは三人とも話すことが特になくなってしまった。

私が藍子に、まだ急ぐべきではないと言ったから、選択の時は今日ではない。まだまだ先になるのだろう。誰がここから出られるのか。

そして選択を迫られるその時までに、私達は正しい判断で、その二人を選べるのか。
考えると不安になる。安定している今だから、こんな時間がずっと続けばいいのにって思うんだろう。


顔色が戻った真広は床に降りていて、私達はお互いに少し距離を置いて向かい合って座った。


「そういえば、お互い自己紹介とかちゃんとしてなかったね」


沈黙を破ったのは藍子だった。