ストロベリー・ゲーム


「真実を伝えて、あなたが絶望することは分かっていました。あなたは兄のことを好きだったから。だから私はあなたが好きだったの。兄から話を聞いていて、ずっと会いたいと思っていた人。
最初に苦しませても、最後には幸せにすると決めていた。
そのために私の人生があったの」


京極勝の妹――――京極津由は、何度も俺に会いに来た。


空っぽになった俺を好きだと言ってくれた。
幸せにする、と言ってくれた。こんな男のために人生をかけてくれた。
女が男を幸せにするなんて、その頃は聞いたことがない話だったけど。

京極が死んだことで負った傷を、少しずつ癒してくれた。

もう少し丁寧に京極と向き合っていたら。恥ずかしがらずに素直な想いを伝えていたら。好きだった。尊敬していた。大好きな人だと伝えたかった。喜ぶ顔が見たかった。

後悔しかなかった。
俺を真剣に見ていてくれた京極に、中途半端な態度をとったこと。罪の意識を感じて生きていた。年を取った、今もそう。

どう償えばよかったんだろう。償い損ねて、ずっと、苦しいままだ。
ふとした時に、その苦しみはやってくるから。