ストロベリー・ゲーム


顔を合わせるのが恥ずかしくて、目を逸らして早口で喋る。顔が熱い。適当に笑って場の空気を和らげようとした。でも、軽い、って思われてそうだ。

俺の話に、彼女はなにも言わなかった。
ただ、


「兄に会いに来たんですよね?」


と聞いてきた。


「はい」と自信をもって答えながら、何かを感じていた。

この子が何を言おうとしているのか。わざわざ俺に声をかけて、京極のことを聞いた。季節が一周し、新しい自分になった。本当なら今頃、この子と話していない。

また交番の中から俺を見つけて、京極は外に出てきてくれるんだ。
暑いなあって言って、中に入って、って言って。

......何かが違うんだ、俺が知らないだけで。

今日。何かが変わる予感がする。


「落ち着いて聞いてくださいね」



生温い風が吹いて頬を撫でる。



「兄はもういません。先月、死にました」

「............え?」