ストロベリー・ゲーム


俺は彼女がこちらを見たのが分かった。一瞬目を合わせてから逸らした。
横から見ても整っている彼女の顔が、正面から見て美しくないはずがなかった。

恥ずかしいのと、目を合わせることが正解なのか分からないので、困惑した。
いや、でも、そもそも俺の目的は君じゃない。そう思いながらちらり、と、交番の方を見た。


蝉の声がしていた。

去年初めて中に招いてもらった。クーラーの一つもなかった、蒸し暑い交番。

その中に、京極の姿はなかった。



正確に言うと、京極ではない別の男性がいた。
白髪交じりで額が出ている。全体的に顔に皺の多い、怖そうな顔をした中年男性。おじさんとおじいさんの中間くらいだろうか。......京極は?

どうして京極がいないのか、と不思議でならなかった。