彼の名前は京極 勝(きょうごく まさる)というらしい。
京極は俺に携帯を渡す前に、少し話がしたいと言った。
グレーのTシャツにジーンズ、サンダル、という軽装の俺。対して京極は今日も決められた警察官の制服。一般人とはまた立場が随分違うものだ。見下されているんだろう。特に何も考えていない俺のようなバカは。
「昨日の煙草を吸っていた学生のことなんだけど」
京極の出す話題の予想はなんとなくついていた。
いざ口に出されると、ドキッとはするけど。
「友達かい?」
「......」
「庇いたくなる気持ちも分かるよ。でもね、僕も警察官だから。友達なら、情報を渡してほしいんだ」
「例えば?」
「名前と、家の電話番号。通っている学校の番号も」
あいつは家族とは仲が良かった。学校生活も充実している。退学、なんてことになったら。家族にも、幻滅されたりしたら......俺はどう責任を取ればいいんだろう。



