色褪せたぶかぶかのジーンズのポケットから、離れの小屋の鍵を取り出し、津由に渡す。


――――素直じゃない。
自分から、迎えに行けばいいものを。

津由はいつも、「行ってきますね」と文句ひとつ言わずに家を出て行く。今日は好き嫌いをして文句を言った真広に怒った。津由の出した夕ご飯を食べなかった。ただそれだけのことだった。

気が短い。厳しい。
よく言われる。俺も第三者から俺を見たら、間違いなくそう思う。
それでも曲げたくないものがあるんだ。