結局最初から最後まで好きだったな。変わらなかった。 俺はちゃんと君のことを好きだった。 その事実が、差し伸べられた小さな手が。闇を打ち消す光が俺を包み込む。 少しだけ、ほんの少しだけ緩んだ顔をして、情けない声を出す。 「待ってた」 怜美は満足げに微笑んで、俺を優しく抱きしめてくれた。 俺はそれが心地よくて嬉しくて、 どこかあの人に似ているような気がして、懐かしいなと思った。 fin