俺の体はすっかり縮んで小さくなり、子供のようになっていたけど、ちゃんと覚えているよ。

あんなに優しく抱きしめられたら誰だって涙するだろう。俺は泣いていて、何も言えなかったんだ。最後のお別れの言葉さえ。
きっと頭では分かっていたけど、受け入れるのが怖かったんだろうなあ。



その時、玄関の戸が開いた。
いくつか玄関前の廊下を歩く足音がした後、少女が俺の前に姿を現す。床に刺さった赤いナイフと、静かに下を向いて、泣いている俺を見て、彼女は驚いたように目を見開いた。だが、すぐに優しい顔になって、俺の方に近づいてきて。

いつだったか一緒に罪を償った友達。
けれど、また救ってくれなんて頼んでない。


「真広――」