ストロベリー・ゲーム


丸い机の他にもベッドや食器棚がある部屋。誰かが住んでいたのかもしれない。真広には心当たりがあるのかもしれない。

まだなにも聞いていないのに、もうここで決めてしまうの?
分からないじゃないか。


「ちょっと、待ってよ」


私は焦って藍子の左肩に右手を置いた。


「桐江くんだって被害者だよ?」

「祖父が孫を見殺しにすると思う? あたし達だけ出ても、後でなんとかなるかもしれないじゃん」

「ならないかもしれないのに?」

「怜美は、昔もそうだったね? 被害妄想ばっかり」


藍子が困ったように笑った。