〈家の場所も知らない、本人の気持ちも分からない。怖いの、真広のこと好きなのに、なにもできないよ、あたし......! どうしたらいいんだろう、今会ったとしてもなにが、できるのかな......っ〉
「告白したんでしょ!」
涙声の藍子に向かって、噛みつくように叫んだ。
「返事聞くんでしょ!! 自分から、そう言ったんじゃんか! 私が取っちゃってもいいの!? 私も真広のこと、好きなんだよ!」
顔が熱い。心臓がドキドキしている。
本当だよ。もう私だって容赦しない。傷つけるのが怖いから今は真広に直接告白は出来ない。でも藍子のことは絶対に止めたい。藍子には真広のこととられたくない。私だって私を大切にしたいの。
いつまでも平和主義じゃない。
何も言えないままやっていくのは、辛いよ。自分のこと殺しているみたい。
自分の意見は自分のものだ。私が守らなくてどうする。
〈い......や、だ......!!〉
声を詰まらせながら、今度は画面越しに藍子が叫ぶ。
「嫌なら止めれば? 会いに来てよ」



