今更、だと。 思ってしまう。 藍子が真広のおじいさんに叱られたのは自業自得だと思ってしまう。私は......私はちゃんと反省していた。ずっと考えていた。盗んだ記憶がずっと消えなかった。藍子はそうじゃなかったんでしょ? 転校してからは気持ちを切り替えたんでしょ。 私のことなんて気にしてなかった。 私は少し怒りを感じながら、早口で言った。 日が落ちていく。 「今はそんなこともういいの。真広の方が優先だから」 〈真広のことも、あたしはなにもできない〉 なにもできない?