「あの子が幸せなら、もう他に何もいらない」



私が聞いた中で、それが彼が最後に言った言葉だった。
光も温度も匂いもなにも分からなくなって、消えていく。


君を好きな人がいなくなる。

だから苦しかったんだね。
だから泣いていたんだね。

真広。

私がむかえにいくから、待っていてね。