「藍子ちゃん、ちょっと言いすぎだよ」
「ごめん、そうだよね。でも、さ、今なら大丈夫でしょ」
藍子がひそひそ声で話した。
反省していないような気もするけど。大丈夫って、なんのことを言っているんだろう?
「なにが?」私は藍子につられて、同じようにひそひそ声で問いかける。
そしたら藍子から、思いがけない提案をされた。
「怜美、あたし達で食べちゃおうよ。真広には、悪いけどさ」
真広が席を外している間に、だ。
信じられなかった。こんなに早く仲間割れ、なんて。いや、でも。
藍子が真広を裏切りたくなるのも無理はない。このゲームの主催者は、真広の祖父だ。私と藍子にはなんの関係もない赤の他人。



