「少し苦しむ方がいいんだ。後が楽になる」 そう呟いた彼に私は、問いかける。 どうしても、あなたが悪いことをしているように思えないの。二人が苺を食べたときも、すぐに二人を解放しなかった。 「あなたは、もうすぐ死ぬから、会いに来たんですか? 私達に、あの事件の罪悪感を残さないように......」 さっきの女の人は、真広のおばあさんだろう。そしておじいさんの危篤を知らせる電話。 ……予想もできないことばかりが起きて、私も理解ができなくなってくる。 私の疑問に、「違う」と、彼は答えた。