そうだ、誰かに連絡しよう。誰かの声を聞けば安心できるかもしれない。
ポケットからスマホを取り出して操作すると、縋るような思いで電話帳を見た。

が、ふとそこで気づく。

今の俺の苦しみを誰が分かってくれるのだろう?


悪い頭で弾き出された答えが、俺を変えていく。
もう誰もいないんじゃないか、もう終わりなんじゃないか。そろそろ俺も死に頃なんだ。だって今死にたいじゃん。こんなに苦しいのに。誰も、いない。

登録してある連絡先を、指で一つ一つ丁寧に消していく。
これが死ぬ準備だ。そう思うとまた涙が視界を埋めた。ぼやけた視界で揺らぐブルーライト。夜の月明かりが誰もいない家の中を差す。





......あれ? ばあちゃん、さっきなんて言ってたんだっけ。