ストロベリー・ゲーム


バイト終わりにすぐ、俺はタクシーを捕まえて、山のふもとの大きな病院に向かった。気が気じゃなかった。久しぶりに戻ってくるんだ。


「おじいちゃんが階段から落ちたの」


――あのろくに息もできない日々が。



受付の人に名前を言うと、病室の番号を教えられた。
階段を上る。息が切れる。廊下を進むと、病室が見えた。

俺がバイトに行っている間に祖父が家の階段から落ちたらしい。頭を強く打って救急車で運ばれて、祖母は今祖父と一緒にいると。俺が祖母からの電話に気づいたのは、祖母が電話をかけてきて三時間後。