ストロベリー・ゲーム


一人暮らしの準備でバタバタして、高校が始まってすぐは家事で余裕がなく、祖父母に援助してもらっていた。余裕ができてきた高校一年の夏には、アルバイトを始めた。

学費は払ってもらったが、家賃や生活資金、娯楽のためのお金は自分で賄った。少しは負担も減ったかもしれない。祖父母が自由になれたかもしれない。そう思うと嬉しかった。

祖母が畑でとれた野菜や果物も送ってくれる。結局俺は誰かの助けがないと生きていけないのだと実感する。助け合いなんだろう、なんでも。

長い休みがある時には祖父母の家に戻って前のように一緒に過ごすこともあった。
もう事故の事なんてすっかり忘れていた。楽しい高校生活に毎日が充実していた。




携帯電話に連絡がかかってきたのは、その年の冬だ。