ストロベリー・ゲーム








俺は祖父母の家で暮らすことになった。
医師からパニック障害だと診断された。

事故からしばらくの間、眠れない日々が続き、動機や眩暈、過呼吸が絶えず俺を襲った。悪夢にうなされ、ふとしたことでフラッシュバックを起こし、我を失ったように叫ぶ。

学校に行けない日が増えたが、正直そんなことどうでもよかった。


発作が起きれば「死ぬ」ということしか考えられない。自分ではどうすることもできない強い不安があった。リスカもした。痛みで生きていると分かるのが嬉しかった。


祖父に見つかって物凄く怒られた。でも中学生にもなり大きくなった俺は、もう小屋に閉じ込められることはなかった。


薬を飲んで少しずつ、眠れるようになって、事故のことを忘れられるようになってきた。祖母は俺を心配そうな目では見たが、可哀想、と突き放して世話を嫌がることはなかった。祖父は事故が起きても、特に変わらず接してくれていた。それが一番安心できた理由なのかもしれない。