怜美のさらさらの髪の毛が、ハッとして顔を上げた時に揺れる。いつものように床に座り、三人で向かい合っている。そろそろこういうのも終わりにしたいんだけど。
真広とあたしが怜美に視線を向けていた。
薄暗い部屋の中、怜美の声が一際目立って響いた。
「真広のおじいさん、入院してるの? 今も」
「うん、そのはず」
「なんで私達の行動が分かるんだろう? 誰が苺を食べたとか。それに、おじいさんが病院から出られないなら、ここに私達を連れてきたのは誰なの?」
考えたことなかった。
そっか、真広の言っていることが変わったから、おかしいことが出てくるのか。
もしかしたら監視カメラでもあるのかもしれないと思っていた。でもそんなに気に留めなかった。リアルタイムで病院から監視している? そんなわけないよね?
そしてあたし達をここに連れてきたのは......もう、一人しかいないじゃない。
「おばあさん?」
「違う、ばあちゃんじゃない」
「どうしてそう言い切れるのよ」
真広があまりにも早く反論したので、あたしは思わず強い口調で言ってしまった。



