〈約束通り、苺を食べた人は解放しよう。......と、思っていたが、お前たちがやったこと、さすがにもう気づいているだろうな?〉
「昔の、事件の事?」
真広が、おじいさんの問いかけに答える。
認めよう。私も真広も藍子も昔、苺の事件に関わっている。藍子は私をそそのかし、私はその通りに畑の苺を盗み、真広は犯人である私を庇って黙っていた。
それがあれから九年経った今、贖罪の対象となり私達を捉えて離さないのだと。
しかし、真広のおじいさんは予想外の反応を見せた。
〈昔? なんのことだ? 心当たりすら見つかってないのか。やっぱりまだ、そこにいる必要があるんじゃないか?〉



