音楽でも聴こうかと思って、タブレット端末を手にすると、メールが届いていた。

「最近、来ないよね。どうした?」

差出人は、科学博物館の学芸員、井上理森。

ボランティアスタッフは、タダでプラネタリウムや館内の展示を見ることが出来るという下心から、私は時折、彼の勤務先の科学博物館でボランティア活動をしている。

理森とは、初対面の時からフィーリングが合った。

年齢が同じで、ルックスもよく、独身、安定の公務員。

しかし、私はこの男を恋愛対象として見られない。

それは相手も同じみたいだから、私たちは友達付き合いをしている。

因みに、私のことを女子力ゼロとぬかしよった友というのは、理森のことだ。