「あのねぇ、相変わらず女に夢見すぎだよ?誰だって、結婚するなら金持ちとか、安定した職の男がいいって思ってるんだから」

「それはキミーのことだろう?」

「失礼ね、そんなことないわよ!私は、ロマンチックな恋がしたいだけ」

「どんな恋だよ」

「例えば“君に読む物語”みたいな感じかなぁ」

「俺も観たけど、時代が合わないじゃん。将来、認知症になりたいの?」

「わかってないなぁー!そういうとこだよ、女心をわかってないのは」

私たちの会話なんて、いつも、こんな調子だ。