私たちはただ楽しんだ。
青春の模範の17歳であるかのようにはしゃいだ。
ああ、わたしはこれがしたかったんだ。
殻を破ったときの、あの瞬間。
まるで別世界の扉を開けたかのようにきらきらしていた。
今はもう、投げやりなんかじゃない。
この瞬間のために生きてきたんじゃないか。
髪が乱れるのも気にせずに、帰り道のことなんか考えず無我夢中であそんだ。
大きな波が、私の負の感情をすべてかっさらった。
「いま、どんな気分?」
水面に反射する光。
水浸しになった佐川が問う。
「最高!」
私の人生の主役はわたしだ。
必要なもの、不必要なもの。
取捨選択するのは、ぜんぶ、わたしだから。
わたしたちは、これから先、17の夏に戻ることはできない。
だからこそ、今すぐセーラー服なんか放り捨てて。
ぜんぶ、ぜんぶ青に溶けてしまえ。



