青い夏の、わすれもの。

迎えた本番当日。

わたしは朝から緊張し過ぎて思うような演奏が出来ていなかった。

それは本番直前の全体練習までずっと続いた。


「澪先輩、大丈夫ですか?」

「顔色優れないようですが、飲み物でも買ってきましょうか?」

「ありがとう。でも大丈夫だよ」


後輩にまで心配されてしまう始末。

頼りない先輩で心の底から申し訳ないと思う。

それなのに今まで文句1つ言わず着いてきてくれて心配までしてくれて...。

わたしは後輩たちに何度もありがとうと心の中で呟き、波が鎮まるのを待っていた。