「ったくもぉ、今日から9月だってのに、なんでこんな暑いわけ?」

「しょうがないよ。今年は特に猛暑だって言われてるし」

「猛暑終わったんじゃないの?残暑でしょ~」


あぢぃ...と手うちわをしながら学校までの炎天下を歩くわたしと爽。

ふと、前方を見ると、黒髪をポニーテールに結ったあの子がいた。


「ねぇ、あれ華ちゃんじゃない?」

「ん?あっ、ほんとだ!お~い、華!」


華ちゃんが振り向き様に笑う。

その笑顔はまるでトルコキキョウのように可憐で麗しかった。

わたしと爽は華ちゃんと合流し、華ちゃんを真ん中にして歩き出した。