至近距離でこんなに言い合えるのは、おそらく後にも先にも幼少期からの腐れ縁の魁しかいないと思う。

幼なじみ以上恋人未満っていうのが気に食わないけど、昇格したのは確か。

風向きは少しずつ変わってきているのかもしれない。

あの時勢いで言ってしまった"好き"と

澪のナイスアシストが、

またあたしの運命の歯車を動かし始めた。

魁の歯車と噛み合う日はいつだろう?


でも、今日を始点に新たに線を描き出せば、いつかきっとあたしと魁の世界線が1点で交わる日が来るよね?

そこからどんどん加速して将来的には......。


あたしはまだ2人で青空を見上げる未来を、夢を、見ていたい。

あたしが投げたボールが魁にキャッチされるその日まで、あたしは絶対に諦めない。

片想い上等!

今日も明日も明後日も明明後日も

あたしは、

魁が...

魁のことが...


「好き...大好き」


あたしの言葉は夏のそよ風に乗り、花咲く丘へと運ばれていった。