青い夏の、わすれもの。

わたしは諦めにも似た感情を抱えながら、仲良く寄り添って深海魚の海を眺めている2人に近づいていった。

2人の世界を壊してしまうことに申し訳なさを感じながら、わたしは遠慮がちに言った。


「あの...次私と風くんで、さつまくんと深月さんなんだけど...」


深月さんは水槽の中の世界から現実世界に引き戻されたみたいな顔をしていた。

相当深いところまで潜っていたのだろう。


本当に申し訳ない...。


それなのに深月さんはわたしに「ごめん」と謝った。

謝るのはわたしの方だ...。

わたしが2人の邪魔をしてごめんなさい、なんだ...。

呼吸が一層苦しくなる。

そんなわたしとは裏腹に、2人は笑顔で"ありがとう"を言い合っていた。

その"ありがとう"が何よりも1番苦しかった。

生きてる心地がしなかった。

わたしの心はどこか遠い場所へと風に乗って運ばれてしまったみたいだった。