青い夏の、わすれもの。

魁くんの立候補でわたしは最初に魁くんと回ることになった。

今すぐにでもペンギンに会いに行きたかったけど、魁くんはこの水族館に来るのが初めてらしく、わたしたちは最初から順々に見ることになった。

小学生の頃はゴールデンウィークになると、「水族館にする?それとも動物園?」なんて母にお伺いを立てられていたけど、今ではそんなこともすっかりなくなった。

わたしは大抵水族館を希望していたけど、母が映画好きだから、車を走らせ、うちの県の中ではかなり発展している部類に入る浜松市に行っていた。

地元に映画館が無いわけでもないけど、壁が薄くて隣のシアターの音が漏れてくるから、なんだか集中出来ないのだと母は言っていた。

子供のわたしにはそんなの全然分からなかったから、わざわざ遠出するくらいなら、地元の水族館に連れていってほしいと毎年思っていた。

そしたら、織姫と彦星みたいに1年に1度、ペンギンに会えたのに...。

なんて悲しい記憶を呼び起こしていたからだろう。

顔が暗くなっていたらしく、魁くんに心配させてしまった。