青い夏の、わすれもの。

「山本」


わたしはその声に反応して顔を上げた。

神様の言葉のように神々しく思え、救いを求めてしまった。


「大丈夫か?顔色悪いけど」


その言葉だけで十分だった。

わたしは強ばった顔の筋肉を無理やり動かし、口角を上げた。


「大丈夫。わたしは...大丈夫」

「そ。でも、気分が悪くなったらいつでも言えよ。今日の天気こんなんだし」

「うん。ありがと」


太陽が容赦なく照りつけ、アスファルトを焼き尽くそうとしていた。

陽炎がゆらゆらと揺らめき、目を眩ます。


あぁ、かき氷が食べたい。

身体を冷やしたい。

目を覚ましたい。

頭を冴えさせたい。

そうしたら、この胸に渦巻くごちゃ混ぜになった感情が鮮明になるような気がするから。

この熱を冷ましてくれるなら、なんでもいい。

いっそのこと、雪でも降らないかな?

真夏に雪が降る奇跡、見てみたい。


"真夏の六花"がふわりと舞い降り、

男女6人の想いが交わる時

その花はどんな花よりも

儚く美しく咲く...はず。