青い夏の、わすれもの。

しかし、ペンギンコーナーには先客がいた。

家族連れやカップル、育成会の集団など、多くの客がこぞってペンギンを見に来ていた。

あまりにも人が多いから、別の場所に行こうと思い直し、どこにしようかと不鮮明な思考を巡らせようとした、その時。


私の視界に彼女が映り込んだ。

どこにいても何をしていても、彼女の姿は鮮明に映る。

私にないものを全部持っている。

そして、その彼女は私の初恋も奪い去ろうとしている。

彼の心を飲み込もうとしている。


それは...ダメ。


私の初恋は、

一目惚れは、

まだ終わらせちゃダメ。

まだ...まだだよ。

まだ何もしていない。

何も伝えられていない。

それなのに終わりだなんて、

そんなの無情過ぎる。

だから、待って。

まだ、終わらないで。

終わらせないで。


「ペンギンはどうしてモノクロなんだろうな」


独り言のように律くんは呟いた。

ペンギンがモノクロの理由を私なら知ってる。

私が知ってることなら全部教えるから、

だから...行かないで。

まだここにいて。