青い夏の、わすれもの。

「ちょ、ちょっと待って下さい」


私は勢い余って発言してしまった。

でも、取り消せないからこのまま話すしかない。

でも、どう話せば納得してくれるだろう。

私は悩みながらも再度口を開いた。


「私はチケットが余ってるからということで呼ばれたんです。自由に見せて頂けないのでしたら帰ります」


焦りとは裏腹に意外にもまともな意見だった。

こんなに流暢に言葉が並べられるなんて自分でも驚いた。

無意識のうちに生徒会の活動の中で鍛えられたのだろう。


そんな私の発言にいち早く反応したのは、朝吹くんだった。


「深月さん、もしかして水族館ガチ勢?」

「...悪いですか?」

「ううん。全然そんなことない。むしろ良いと思うよ。おれも説明文とかじっくり読んじゃうタイプだから」


まさかまさかで、朝吹くんも同類だと判明し、ほっと肩を撫で下ろした。

でも、今日は海の生き物よりも人間の方が気になって集中出来なさそう。

もう本当に帰ってしまいたい。