青い夏の、わすれもの。

後悔して肩を落としていると、また別の足音が聞こえて来た。

コツコツ...とヒールが地面を付く音がする。

ということは...女性だ。

そして、私は思い出した。

あのメッセージにあった名前を。


そうだ...

永瀬さんとあの子は親友だったんだ。


私は振り返った。

頭には麦わら帽子を被り、胸元にフリルの付いた白いブラウスと空色のフレアスカートをこれ以上ないくらいに完璧に着こなしている。

足元のサンダルには向日葵のコサージュが着いていてとても可愛い。

毛先もくるんと巻かれていて、まるで女優さんのよう。

私の目を奪う女性はいつも彼女だ。


「あれ、山本澪さんでしょ?」


私が指を差すと、朝吹くんはその方向に視線を流した。


「えっ?どこ?」


髪を下ろしているからか、朝吹くんは山本さんに気づかないよう。

こんなこと、あってはいけない。

だって、山本さんは朝吹くんのことが...。

お願い、気づいてあげて。

私は祈りを込めて必死に指を差して説明した。


「ほら、あそこの麦わら帽子の女の子」

「麦わら帽子?...ん?」


と、朝吹くんが首を傾げたその時だった。