青い夏の、わすれもの。

全速力で駆け、息を切らしてやって来たのは水族館の裏にある海岸だった。

あたしは流木を何本か蹴飛ばしてから白浜の上に膝を抱えて座った。

もちろん、わんわん声を上げて泣いた。

泣くのはそう、あの日以来。

あの日は思い切り泣けなかったから今日くらい泣かせてもらってもいいよね?

鼻腔を通して海の香りを感じ、

肌のヒリヒリとした痛みに太陽の威力を感じる。


「...爽」


あたしが赤ちゃんのように泣くのを仕事にしていると、魁がやって来た。

今は来なくていいよ。

なんでこういう時ばかり張り切って来ちゃうかな?

空気と乙女心を読もうよ。

いい加減学習しようよ。

もう...いいよ。

けど、魁はあたしが無視をしても立ち去ろうとはしなかった。