青い夏の、わすれもの。

「永瀬さんは冴島くんをいつ好きになった?」

「ほえ?」


あまりにも唐突で意表をつく質問だったから、拍子抜けして声が裏返ってしまった。

けど、話を進めるためには答えないわけにもいかないから、あたしは自分の思うままに答えた。


「あ、あたしは...その...物心着いた時からずっと好き。ずっとずっと魁を追ってきた。何歳とか、大きなきっかけがあったとかじゃない。知らぬ間に恋しててそれが当たり前になってた」


あたしの言葉に大楽が補足を加える。


「当たり前になった存在が抜け落ちたり、当たり前が失くなったらって考えたら、自分が自分じゃなくなる。そんな感じか?」

「...そう。そういう感覚」


なぜか妙に納得してしまった。

ストンと何の迷いもなく胸の奥に落ちていった。

あたしと大楽の心が重なり、共鳴した。