青い夏の、わすれもの。

つべこべ言わせないためにも、あたしは父からかっさらってきたチケットを1人1人に渡し、ひとまず館内に入場した。

すると、早速バカが口を開いた。


「あのさ、俺澪と回りたいんだけど」

「えっ...」


澪は困惑した表情を見せたけど、これもまた計算済み。

あたしがチャンスを与えてくれたと勘違いしている魁は必ず2人きりになりたいって言うとあたしは踏んでいたから、もう作戦を練ってきている。

では作戦開始と行きますか。

あたしは皆にバレないように心の中で号砲を鳴らした。


「6人で行動するのも邪魔になるから、男女ペアで行動しよう」

「ちょ、ちょっと待って下さい」


あたしの提案に待ったをかけたのは、深月さんだった。


「私はチケットが余ってるからということで呼ばれたんです。自由に見せて頂けないのでしたら帰ります」


深月さんのその発言にいち早く反応したのは、風くんだった。


「深月さん、もしかして水族館ガチ勢?」

「...悪いですか?」

「ううん。全然そんなことない。むしろ良いと思うよ。おれも説明文とかじっくり読んじゃうタイプだから」