青い夏の、わすれもの。

それから8日後、地獄の定期テストが終わりを迎えた。

あたしは予定通り、実験の実施日を個人宛てにラインで送った。

深月さんと大楽くんのラインは知らなかったから深月さんには風くんから誘ってもらうようにし、大楽くんには直接アタックすることにした。

ある事情により、澪には内緒にして。


「あの、大楽くん」


あたしは同じクラスになってから4ヶ月目にして初めて話しかけた。

話しかけるのにこんなに緊張するとは思わなかった。

というのも、まとってる空気が陰湿というか独特というか不思議というか...とにかく近寄りがたい感じだから。

あの澪が良く話しかけられたね。

あたしより度胸あるかもしれない。


「何か用ですか?」

「あはは。用がなかったら話しかけてないよ~。ねぇ、ちょっと話いい?ほんの数分でいいから」


大楽くんは顔をしかめた。

露骨に出してくる系か。

なら、ど直球法は効果抜群だな。

あたしは勝算はあると見て、話を進めることにした。


「えっとねぇ、夏休みに入ってからの話なんだけど...」

「オレ、まだ何も言ってないけど」


あたしはびくっとしてしまった。

まさか、突っ込んでくるとは思わなかった。

寡黙に見えて、結構ズバズバ言うタイプらしい。

しかも的確な指摘で論破してくる感じだ。

人間観察と分析はわりと好きなのよ、あたし。

一言でこれだけ分かるんだから、天才?

なんて、言ってる場合ではない。

軌道修正を図らねば。