青い夏の、わすれもの。

「大楽くんは好きな人いるの?」


浮かんだ疑問がそのまま口から出てきた。

大楽くんは果たしてどうなのだろう?

澪のことが好きなのかな?

大楽くんが澪を好きだと仮定して、それを証明する手立ては?


うむ...。


数学の教科書が窓の外から吹き込む夏色の風でパラパラと捲れる。


やっぱバカには難しいからド直球勝負しかないだろう。

あたしの頭の中には証明するために必要なド直球な実験内容が浮かんできた。

あたしはまるで証明の問題を解くように、ノートにたらたらと文章を書いた。


「よし、これで行こう」


あたしはノートを見てにんまりと笑った。

我ながら良く出来たと思う。

こういうことは思い付くくせに、本物の証明だの国語の小説によくある、"この時の主人公の心情を100字以内でまとめなさい"なんていう説明は出来ないんじゃ話にならないよね~。

ま、それはそうと、これはこれだ。

あたしは最終的には自分のために、これを成功させ、答えを出さねばならない。

やると決めたからにはやるっきゃない。

待ってろ、青夏!

待ってろ、六角形関係!

絶対にぶっ壊してやるんだから!

その前にあるテストは赤点取らないように最低限の努力はするから、

だからどうか、あたしの願い叶えて。

よろしくお願いします。


あたしは過ぎた七夕の日を思いながら、茜空に手を合わせたのだった。