スーリアはルーエンとアルフォークが立っていた位置まで近づいてみた。そこにはいつも通りの変わらない光景が広がっている。スーリアは右手を開いた。手の中には革紐にくっついた小さな魔法石がある。これは夢では無いのだ。
『スーリア、またな』
最後にかけられた穏やかな低い声色と、アメジストのような瞳を優しく細めた微笑みが脳裏に蘇る。
「うふふっ」
なんだか胸の奥がこそばゆい。今日もとてもいい日だった。スーリアは頬を緩ませたまま、自宅へと走って戻って行った。
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