「そう言うのではない。ただ、彼女は何となく不思議な子だ」
「不思議?」
「ああ。彼女がスネークキメラに襲われて俺達が助けたとき、彼女は瀕死だった。少なくとも、俺にはもう駄目だと思わせるほどの重傷だったんだ。それなのに、今はなんの後遺症もなく元気にしている」
アルフォークの言葉に、エクリードも思い出したように空を見た。
「スネークキメラ……。森で不思議な事があった、あの時の子か?」
「え? あの時の子??」
ルーエンも気づいたようにアルフォークを見つめた。アルフォークは無言で頷き返す。
スーリアを助けたとき、突如空間の歪みが正されスネークキメラが忽然と姿を消した。そして、どんなに探しても見つけ出すことは出来なかった。さらに、この不思議な花。スーリアのまわりでは、全くもって不思議なこと続きだ。
「確かにそれは気になるなぁ。どんな子なの?」
「穢れを知らないというか、純粋なんだ。今まで出会ったことが無いタイプの女性だ」
「その説明じゃ全然わかんないんだけど? まあ、いいや。僕も会いに行く」



